2011年1月25日
毛利邸のこと

 防府図書館で、防府市の大きな歴史資産で、観光資源でもある「毛利邸の魅力」を新しい視点で学ぶ防府史談会主催の歴史講座を取材した。同邸は外務大臣など政府の要職もつとめた井上馨公が、主君である毛利家のためにと、明治25年に提言、日清、日露戦争などで、着工が大幅に遅れ、工事がスタート、鍬入れ式が行われたのは提言から20年後の大正元年9月24日、竣工は同5年7月19日。完成を楽しみにしていた井上公は、前年の4年9月1日亡くなり、立派な建物の姿を見ることは出来なかった。講師の毛利博物館の柴原直樹氏は、既に築1世紀が経過、個人の屋敷としては全国最大級の建物、それもほとんど、建設当時のまま、現存する貴重な建物。日本建築をベースに、大胆に、当時最先端の西洋工法を取り入れた実験的な試み、日清日露戦争で堅牢な建設用材として使われ始めたコンクリートや鉄骨を建物の基礎工事、本門、本柱、地下冷蔵庫や倉庫建物とふんだんに使用、そのほかモルタル、亜鉛引波形鉄板(トタン)など、いたるところに使われている和洋折衷の近代和風建築物と指摘していた。まさに歴史的な実験的建築物の「重要文化財」と実感した。(耕)
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